
社内のお知らせや業務連絡を、紙の掲示板で共有している企業は少なくありません。紙は手軽に使える一方で、「掲示物が増えて重要な情報が埋もれる」「差し替えや撤去に手間がかかる」「誰が読んだか分からない」といった課題があります。
こうした課題を改善する方法の一つが、社内掲示板のデジタル化です。この記事では、紙の掲示板をデジタル化するメリットと主な方法、ツールを選ぶ際のポイントについて解説します。
1.紙の掲示板をデジタル化するとは
これまで印刷して掲示していた社内のお知らせや業務連絡を
ディスプレイ、タブレット、パソコンなどの画面に表示する仕組みに切り替えることです。
社内掲示板では、主に次のような情報が共有されています。
デジタル化の方法は、画像や動画を画面に自動表示するものから、従業員が画面を操作して自分宛のお知らせを確認できるものまでさまざまです。
単に紙を画面へ置き換えるだけでなく、「誰に、どのような情報を、どの程度確実に伝えたいか」を整理してから方法を選ぶことが重要です。
2.紙の掲示板で起こりやすい3つの課題
重要な情報が埋もれる
掲示物が増えると、どのお知らせが重要なのか、現在も有効な情報なのかが分かりにくくなります。新しい掲示物を追加しても、ほかの資料に紛れて従業員に気づかれないことがあります。
更新や撤去に手間がかかる
内容を変更する場合は、修正版を印刷して差し替えなければなりません。複数の店舗や工場へ同じ情報を掲示する場合は、拠点ごとに印刷、配布、掲示、撤去を行う必要があります。
誰が読んだか分からない
紙を掲示しただけでは、誰が内容を確認したか把握できません。確認表への署名や押印を求める方法もありますが、未確認者を探したり、記録を集計したりする手間が発生します。
特に交代勤務やシフト勤務の職場では、管理者と勤務時間が合わない従業員もいるため、全員への周知が難しくなります。
3.紙の掲示板をデジタル化するメリット
情報をすぐに更新できる
管理画面などから表示内容を変更できるため、急なルール変更や注意喚起も速やかに反映できます。複数拠点へ一斉配信できる仕組みなら、拠点ごとに紙を配布する必要もありません。
掲示期間を管理できる
お知らせごとに表示開始日と終了日を設定すれば、必要な期間だけ情報を表示できます。期限を過ぎた掲示物を手作業で撤去する必要がなくなり、古い情報の放置も防ぎやすくなります。
画像や動画を活用できる
作業手順、機械の操作方法、売場づくり、安全上の注意点などは、文章だけでなく画像や動画を使うことで、内容を伝えやすくなります。
確認状況を記録できる
既読管理に対応したシステムを利用すれば、従業員がお知らせを確認した日時を記録できます。管理者は未確認者を把握し、必要な人だけをフォローできるため、全員への繰り返しの連絡を減らせます。
4.紙の掲示板をデジタル化する3つの方法
社内ポータルやビジネスチャットを利用する
従業員が自分のパソコンやスマートフォンから、社内のお知らせを確認する方法です。個人用の業務端末があり、勤務中に各自がアクセスできる職場に適しています。
一方、工場や店舗など、個人用のパソコンやスマートフォンを持たない従業員が多い職場では、別の確認手段が必要です。
デジタルサイネージを利用する
ディスプレイやテレビに、画像や動画を自動表示する方法です。従業員が操作しなくても情報を見せられるため、注意喚起や社内広報など、多くの人に同じ情報を知らせる用途に適しています。
ただし、一般的なデジタルサイネージは一方向の情報発信が中心です。従業員が自分のタイミングで詳しい内容を確認したり、個人別の既読状況を記録したりできない場合があります。
共有タブレットやタッチディスプレイを利用する
現場に共有端末を設置し、従業員が画面を操作してお知らせを確認する方法です。一人ひとりに端末を配布する必要がないため、工場、店舗、病院、施設など、個人用端末を持たない従業員が多い職場に適しています。
既読管理に対応したシステムであれば、共有端末を使いながら、従業員一人ひとりの確認状況を記録することもできます。
5.デジタル掲示板を選ぶ際のポイント
社内向けのデジタル掲示板を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
- 個人用端末がなくても利用できるか
- 現場の従業員が簡単に操作できるか
- 拠点や所属ごとに配信先を設定できるか
- お知らせの掲載期間を設定できるか
- 誰が確認したか個人別に把握できるか
- 現在使用しているPDFや画像などを活用できるか
特に重要なのは、情報を画面に表示するだけでよいのか、従業員一人ひとりが確認したことまで把握したいのかという点です。
多くの人に同じ情報を見せるだけなら、一般的なデジタルサイネージでも対応できます。一方、安全、品質、業務ルールなどの重要な連絡について確認漏れを防ぎたい場合は、個人別の既読管理に対応したシステムが適しています。
導入前には、実際の端末で文字の大きさや操作方法を確認し、現場の従業員が無理なく利用できるか試すことも大切です。
6.紙とデジタルを使い分けて情報共有を改善しよう
すべての掲示物を一度にデジタル化する必要はありません。情報の内容や更新頻度に応じて、紙とデジタルを使い分ける方法があります。
紙での掲示が適している情報
避難経路や年間予定表など、長期間内容が変わらず、常に同じ場所へ掲示しておきたい情報は、紙での掲示が適しています。端末を操作しなくても、必要な情報をいつでも確認できます。
デジタルでの掲示が適している情報
注意喚起、業務変更、提出期限など、更新頻度が高い情報はデジタル化に適しています。また、従業員一人ひとりが確認したことを把握したい重要なお知らせも、既読管理に対応した仕組みを使うことで管理しやすくなります。
まずは現在の掲示物を、次の3つに分類してみましょう。
- 長期間、常に掲示しておく情報
- 一定期間だけ掲示する情報
- 従業員が確認したことを把握したい情報
長期間変わらない情報は紙で残し、期間限定の情報や確認が必要な情報からデジタル化すると、現場の混乱を抑えながら移行できます。
実際の活用方法を導入事例で確認する
紙の掲示や口頭で行っていた情報共有をどのように見直し、現場でデジタルを活用しているのかは、導入事例で詳しく紹介しています。紙とデジタルの使い分けや、従業員が情報を確認しやすい運用を検討する際の参考としてご覧ください。
自社に適した方法からデジタル化を始める
紙の掲示板をデジタル化すると、印刷や差し替えの手間を減らし、最新の情報を複数の拠点へ速やかに届けられます。ただし、最適な方法は従業員の勤務環境によって異なります。
個人用のパソコンやスマートフォンがある職場では、社内ポータルやビジネスチャットが選択肢になります。一方、個人用端末を持たない従業員が多い職場では、共有タブレットやタッチディスプレイを利用する方法があります。
すべてを一度に置き換えるのではなく、更新の手間がかかっている情報や、確認漏れを防ぎたい情報からデジタル化を始めるとよいでしょう。
工場における紙、口頭、朝礼などの情報共有全体を見直したい場合は、以下の記事もご覧ください。
共有端末でお知らせの確認状況を把握する「スタッフサイネージ」
スタッフサイネージは、工場や店舗などで働く、個人用のパソコンやスマートフォンを持たない従業員向けの情報共有システムです。
現場に共有のタブレットやタッチディスプレイを設置し、従業員は自分の名前をタッチして、自分宛のお知らせを確認します。管理者は、誰がいつ確認したかを個人別に把握し、未確認者だけを効率的にフォローできます。